魚について
干物の仕上がりは『8割が原料となる魚で決まり、残りの2割が製法で決まる!!』とほとんどの干物職人さんたちが言います。僕もその通りだと思っています。
魚は成長し、しっかりと栄養を蓄え、産卵していきます。
しっかりと栄養を蓄え全身に脂がのっている時が当社の干物に合い旨い時期です。
これが「旬」です。
その後、産卵時期になり卵に栄養を与え始めると徐々に身は痩せて、おいしくなくないのです!!
また大量に水揚げされる次期のものも「旬」と呼ばれますが、旨いとは限りません。
巷で「今が旬ですよ!!」と言われているものが実は大量に水揚げされるというだけで おいしい時期から外れている事がありますので注意です!!
話が少しズレますが、僕は一時、この魚を扱う仕事に自信が無くなったことがあります。。。
家業の干物屋を継ぎ始めて数年たったころ一人の魚屋さんの存在を知りました。
この方は、「魚の旬・選び方・魚の扱い・捌く技術・食べ方」すべてが最高峰。
しかも僕が知っていた、「これら」とは異なるものでした。
すべてが完璧、あまりにも凄すぎて、
「自分は魚の事を全くわかってなかったんや。。。」
「自分がお客さんに魚を売ったらアカンわ!!」
と思ってしまいました。。。
でもこの方の仕事に対する姿勢、魚への尊敬、努力を知った時、
僕は今までの知識を全部捨て、また一から勉強しようと思いました。
(※長所:切り替えが早いところ)
自分では魚の事を勉強し知ったかぶり、努力もしているつもりでしたが、最高峰の方たちはもっと勉強し、苦労してきてる。僕はまだまだ甘い考えの若造やなぁと。。。
まずは魚に対する姿勢から変えました。丁寧に扱う、丁寧に処理する。。。
魚への尊敬が無いと良い商品は作れません。。
この頃から各産地にも足を運ぶようになりました。
産地に行けばその地域の漁師さん・仲買さんと話す機会が増え、魚の情報や本当の「旬」等も教えてくれ、数少ない本当に良い魚を見せてくれ、それを僕に売ってくれたりして。。。
そして何より丁寧な扱いをされています。魚への愛情が伝わってきます。
僕たちも丁寧な干物創りで、お客様へお届けします。
1日の生産量が他社とくらべ少なく、お客様にはご迷惑お掛けするかもしれませんが、
より良い品をお届けしますのでご了承くださいませ。